金融プログラム香港北京天津国際研修報告

 2011年度金融プログラム国際研修は8月28日~9月4日の8日間にわたって実施された。本研修は今年度で5回目となる研修である。今年度の訪問先は香港・北京・天津であった。また、本研修に参加した学生は21名であった。研修の主な内容は、現地企業の視察・現地ビジネススクールでの講義の受講・経済情勢についての講演の受講・如水会の現地支部との交流であった。また、訪問前には事前学習として訪問先の企業研究ならびに訪問する地域に関する自主勉強会が行われた。訪問させていただく企業やその業界の様子はもちろん、訪問する地域についての全般的な知識を事前に得ていたことによって、現地での活動がより深いものとなったと思われる。

 本研修で特に私の印象に残ったことは、以下の三点である。
 第一点目は、香港や北京の活気である。企業の方々の明るい発言や未来に期待する意見・にぎやかな繁華街など、様々なところから私は活気を感じた。その中で私が最も活気を実感した出来事は、企業の方々にお話を伺った際香港と北京に共通して前向きなお話を多く伺うことができたことである。これらの方々に共通していることは、香港や北京の今後の発展を確信されていたことであった。このことから、活気はそこで活躍されている方々の今後の発展への確信から生み出されるものであると私は感じた。確信を持って活動することの重要性が感じられた。
 第二点目は、中国本土と香港のビジネス関係の密接性である。中国本土での厳格な規制と香港の資本主義に基づいた自由な経済は、訪問前の勉強会等を通して考えられていた以上に相互に補完しあっているように感じられた。訪問前の事前学習から、香港は中国にとって外国資本の参入口となっているということを私は学んでいた。現地を訪問して、上述の事項に加えて香港では中国本土の規制に対して香港の制度を利用して回避するようなビジネスが展開されているというお話を伺った。このようなことから中国本土の規制は香港にとってビジネスチャンスとなっているということが考えられる。
 第三点目は、異文化理解の大切さである。中国の人々は同じ人種であり隣国で生活を営んでいるものの、日本人と異なった思想や文化を有しているということが感じられた。それゆえ、ビジネスを行っていくにあたって、顧客や従業員の獲得を中国に期待するのであれば、異文化理解は欠かせないと考えられる。

 今後、私は本研修で得られた知見を活かして研究活動を行っていきたく思う。また、本研修での経験は今後日本と中国とのビジネス関係を考える一助となると考えられる。
 最後に、本研修の機会を与えてくださったみずほ証券様ならびに一橋大学の皆様に改めて厚く御礼申し上げたい。またお忙しい中、私たち学生を快く受け入れてくださった訪問先企業・大学の皆様、如水会の皆様に深く感謝申し上げたい。(12期 島津)

香港如水会との会食時の集合写真
キャセイパシフィック訪問時の写真
北京如水会との会食時の集合写真
パナソニックショールーム見学時の写真