第1回一理会に参加して

「一理会」発足の背景

 昨年度までHMBAで経営戦略を教えられていた伊丹敬之先生は、現在、東京理科大のMOTの教壇に立たれています。「先生からもっと教えを請いたい!」と熱い思いを持った現M2(8期生)の有志が、放課後や週末を利用して、先生を交えた勉強会を行って います。その中で東京理科大の学生たちと交流を持つようになったのです。当初は、お酒を交えながらお互いの関心事について議論を重ねていましたが、「お酒を抜きにした本気のディスカッションをやろう!」ということになり、「一理会」が発足したのです。なぜ「一理会(いちりかい)」か。お互いの熱い思いを1 つに束ね、ひと筋の道理(正しく「一理」)を見出そうという気持ちから、そのように命名したのです。「一」橋大と「理」科大をミックスすると、まさに「一理」が生まれます。今回は1回目ですが、今後も深い議論を重ねて新しい一理を見出したいと思います。

今回のディスカッション

  今回はセイコーエプソンのプリンタ事業が対象に選ばれました。講義の進め方は、事前にA4で2枚のレポートを作成した上で、それを題材としてディスカッションを行うと いうものです。みな真剣そのものでした。MBA、MOTを互いに強く意識することはありませんでしたが、結果的にはお互いの色が強く出ていました。我々の方はキャッシュフローに関する意見が多かったのに対し、先方はどのように技術を蓄積し、開発し、移転するかという意見が多かったように思います。どちらも 非常に大切な観点ですが、日頃強く意識することのない意見から得たものはお互いに大きかったと思います。時には笑いもありながら、あっと言う間の2時間でした。経営者として、企業成長のために、技術力をコアとしていかに成長軌道を描くか。2時間だけで答えが出る内容ではありません。各自が思考を巡らせる上での大きな材料を得た今回の一理会でした。

M1が一理会に参加する意義

 HMBAでは専攻は2年次に決めます。したがって、我々M1は幅広く様々な科目を勉強します。MBAに入って基礎固めを行っているM1にとって、様々なフィールドで活躍されている諸先輩方との意見交換 は、授業とは違った意味で得るものが大きく、貴重な機会です。授業が理論であれば、この一理会は実践と言えると思います。今回の場合、まさに技術者が抱え る悩みや奮闘をMOTの方との議論を通じて、肌で感じることができました。自戒の念を込めてあえて書かせてもらいますが、次回は何も分からないからこその強みを生かして、積極的に発言しようと思います。今回は圧倒されてしまいました。また、このような機会に恵まれた恩を次世代へと継承し、より大きな組織へ と発展させる義務を果たしたいと思います。

 HMBAに入学して本当によかったと改めて実感しました。(9期 高木)